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青森六ヶ所村へ
1月30日~31日にかけて、千葉県議会の資源エネルギー問題懇話会の県外視察に加えてもらい、青森六ヶ所村の日本原燃(㈱、むつ市のリサイクル燃料貯蔵(㈱、東電東通原子力建設所(下北郡東通村)を視察してきた。

視察先の下北半島の地図は、以下のとおり。
下北半島地図

青森には大きく二つの半島があり、ひとつは津軽半島。日本海側でやたらに雪が多い。もう一つがこの鎌の形の下北半島。雪というより、ヤマセと言われる風が冷たい。雪はさほど多くないが、それでも粉雪が地面から舞い上がる。天気は猫の目のようにクルクル変わる。

「津軽の地吹雪はこんなものではないですよ」とガイドさん。

事前に「厳寒!」と聞いていたので、マフラー、ヒートテック肌着、帽子、手袋などなどどっさり詰め込んで(着込んで)出かけた。青森まで新幹線「はやて」に乗って快適に。

30日は、六ヶ所村の日本原燃(㈱)視察。下北半島の鎌の付け根のところが六ヶ所村。グーグル地図で検索するとかなりのところまで施設が俯瞰できる。(もちろんほんとにリアルには見えない)

ここには、以下の施設がある。
1六ヶ所施設略図

図の中で、ピンクで囲ってあるのが六ヶ所村にある施設。

ウラン濃縮工場、高レベル放射性廃棄物一時貯蔵、低レベル放射性廃棄物埋設センター、再処理工場、MOX燃料工場(これはまだない)。原発関連施設の総合デパートみたいです。

写真は撮ってはいけないので、パンフレットから転載。
それぞれの施設の外観。(ただし今は雪ですべて真っ白)
六ヶ所施設 写真

ウラン濃縮工場は1992年操業開始。
天然ウランには燃えるウラン(ウラン235)がわずかに0.7%含まれているだけ。残りは燃えないウラン238。そこでその0・7%のウラン235を3~5%に濃縮する行程です。

(現在は運転中止)ただしRE-2A(37.5トンSWU/年)は慣らし運転中。
濃縮機器製造工場の建屋完成(2009.10)
新型遠心機の運転開始(2011.12)
現状は、製品ウラン出荷量は約1,687トンUF(2011.12現在)

全国の原子力発電所のウラン濃縮需要見通しは5,800トン、という説明。

(私のひとりごと・・・・でも、今は原発は3基しか動いていないし、これほど需要はないのでは?)

再処理工場を主に見学。再処理の仕組みについても説明を受ける。
通常原発で利用されるのはウラン235。しかし238の一部が中性子を吸収すると238の一部がプルトニウムに変化する。このプルトニウムと燃え残っているウラン235を再処理して取り出しウラン燃料やMOX燃料の原料として使えるようにするのが再処理工場と説明されている。

担当者は盛んに「フランスでは、ずっと前から再処理の手法でやってきている」繰り返していたけど、でも、現に日本では、今も試験運転中で、しかも、今もうまくいっていない。

再処理行程で生じた核分裂生成物である高レベル廃棄物は、ガラスと混ぜ、キャニスターに入れて冷やし固める。その後、地下300mの深さ(さらにもっと深く?)の強固な岩盤の中で貯蔵するという。
(しかし、その貯蔵場所は今も手を挙げるところはない。)

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター
フランス、及びイギリスから返還されるガラス固化体お最終処分するまでの間、冷却のために貯蔵するために施設。同施設では、ガラス固化体2880本を収蔵する容量をもっているという。ここで30~50年間中間貯蔵したあと、どこかの地下深い地層の中で最終処分されるのだという。(ここは見学せず)

しかし、読売新聞の青森版1月31日に<「ガラス固化試験開始延期」 原燃 ガラス流下速度回復せず>という記事。
ーーー使用済み核燃料再処理工場で本格操業にむけてガラス固化試験の準備を進めている日本原燃は30日、溶鉱炉で溶かしたガラスが下部の容器に流れる速度に不具合が生じ、1月下旬から2月上旬に予定していた試験開始が遅れる可能性があると発表した。ーーーー

そのニュースを、原燃が、記者発表したのが私たちが見学した日なのだから、皮肉。

記事によれば、これまでにも3度失敗している。その時は、炉の温度が一定しなかったことが原因だったのだとか。今度は、流下速度。
その翌日千葉に帰ってから読んだ記事では、何かがつまって、やはり流下を妨げているようだ、という記事も。

開発を進めようとする職員を責めるつもりはないが、
「やっぱり、無理があるんだからやめようよ」としか、言いようがない。

東海村でも六ヶ所村と同じものを作って使用済み燃料棒の「温度管理」の実証中だという。
しかし、それも3・11の後、安全強化策をの見直しで中断している。
当然、六ヶ所村だって、安全基準の見直しも、今、行なっている。

まして、試験が連敗で、ガラス固化さえも、うまくいっていないのだ。これに人災の単純な管理ミスが重なったら、と思うと、ゾッとする。

再処理工場は中央制御室を上の部屋からガラスごしに見せてもらった。
80人のスタッフが、膨大な行程をコンピューターで管理しているのだという。
若いスタッフが、きびきびと立ち働いている。女性も混じっている。

しかし、彼らは、原発の現場に行くわけではない、まして、原発を作ったわけではない。

器用な若者は、パソコンを買って、使いこなして原稿を書いたりメールを配信したりはできる。
しかし、パソコンを作ったわけではない。だからパソコンが壊れたからといって、部品を調達できるわけでもなく、修理できるわけでもない。
それと同じように、原発事故があったからといって、修復できるわけではない(はずだと思う)。


低レベル放射性廃棄物処理センター
六ヶ所村内の大石平(おおいしたい)にバスで移動し、低レベル放射性廃棄物埋設センターを視察。
これも資料から転載。見づらいけどごめんなさい。
低レベル

日本の原発全てがいずれ廃炉となる。その建屋も含めて全ての放射能を帯びたモノを解体し最終処分するところ、それが、この施設。地下100mに巨大なトンネルを掘って埋める。
トンネルの写真もわかりづらいけどご覧ください。

ややこしいのだが、ここは、放射能レベルの比較的高い低レベル放射性廃棄物の埋設施設。最終的には60万㎥を埋設する計画。
巨大なトンネルを見学させてもらったが、ここは強固な岩盤ではなく、火山灰を掘り進んでつくっている場所。
こんなトンネルを更に24~5本分も作るなんて、やっぱり人間のおごりなのではないか、と思う。
(ここでも、放射能が減衰するまで管理するとのこと)

夕方、その日の宿であるむつグランドホテルに向かう。しかし、路面は凍結し(ツルツル)、渋滞。これでは、ホテルに入るのはいつになることやら、と運転手さんにも言われ、車中でみんなで「これも経験ですよ」と、覚悟を決めていたら、前をゆくトラックがゆるい坂を登りきれず、スリップ、だ、だ、蛇行~!

「おーっ!」という声が車中から上がる。

それでも名ドライバーは落ち着いて坂を登りきり、一同思わず拍手。
寒い中、車外へ出て、誘導してくださったガイドさんにも感謝。無事にホテルに到着。ホテルは高台にあったが、温泉の湯を流していて、道は凍結していない。

写真は、翌日の朝のホテルの窓から見た光景。一面の雪景色。
むつグランドホテルの朝
一部をアップにして見ました。
むつ市の雪


31日は、早くから、むつ市のリサイクル燃料貯蔵(株)視察。
東電と日本原子力発電(株)のリサイクル燃料(使用済み燃料)を再処理するまでの間、50~60年あくまで中間貯蔵管理する施設として計画された施設。資本金30億円、従業員50名の会社。事業費は1000億円。2割は建築費、8割がキャスクのための費用。

あくまで使用済み燃料は再利用するという強気の発想で、中間貯蔵施設と銘打っている。

2012年を事業開始予定としていたが、今はストップ。
これがキャスク。
リサイクル燃料備蓄センターキャスク
キャスクの安全対策の図
キャスク2

読売新聞1月30日(青森版)には、先の固化試験の記事と並んで、同施設の記事も。
同施設は、三月から建設工事を再開する予定で、事業開始は当初の2012年7月からだったが、13年10月とすると変更届けをだしたそうだ。建設工事の進捗率は現在までのところ49%だという。
今は雪に覆われている。

次に、東電の東通(ひがしどおり)原発予定現場の視察。
近くにある東北電力の原発はすでに稼働しているが、今は停止中。
東電の方は、昭和40年に村議会で誘致決議。しかし反対運動や漁協との協定などで、回り道をしている間に、今回の事故となり、ストップしている。

付帯工事はすでに着工。付帯工事からは放射能はでないから、とりあえず止まっていてよかった。

ここでは、始めて「写真は撮ってもいいですよ」ということで、車中からパチリ。
しかし、雪ばっかり。
付帯工事の事業者の、雪でも安全なかまぼこ形の施設。
東通原発付帯工事の建家

海もこんなに近くて、しかも原発も高台にあるわけでもなくて、津波が来たら、どうするんだろう。
遠くでうっすらと見えるのは、海です。
東通原発工事現場雪と海

二日間の視察で、これまで文書や映像で見てきた六ヶ所村の現状を観、聞くことができたことは、ありがたかった。
懸命に説明しながら東電職員の方が
「様々な立場の方が本日は視察をしていただいているわけですが、ともあれ、現実はこうである、ということを見ていただきたい」
と、事の賛否に触れずに、話を結ばれたことが印象的だった。

そうはいっても、東北の厳しい冬を体感し、そんな厳しい暮らしをしている過疎の村を狙い撃ちするようにして、様々ないわば迷惑施設を押し付けてきた電力産業に対してやりきれない想いを強くしたことも事実である。

大間町の原発建設計画(今回の視察は、なし)
下北半島の鎌の先に位置する大間の原発は、これまで原発を手がけたことのない電源開発が手がける原発。

燃料としていきなりフルMOXを使用するのだという。世界初!だって!
2014年の運転開始を目指している。
今回視察は出来なかったが、どうか速やかに中止してほしい。一旦動いた原発は、止めても最終処分までの管理に膨大な費用と期間がかかる。動かす前に止めよう。やめよう。いまなら間に合う。
大間のマグロが安心して食べられなくなる前に止めよう。

脱原発の想いが一層強くなった二日間だった。

最後にお土産を買いに立ち寄った市場にいたゴッコというけったいな魚。ベロ出してこっちむいてるところが変。
どんな味なんだろう。
ゴッコ

帰宅後の翌日のニュースで、青森はさらに激しい地吹雪に見舞われたと報道していた。

立春とは名ばかりの寒さが続く。東北に一日も早く、「春よ来い」と願わざるを得ない。
プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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