2017/08
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「太陽の蓋」 映画を見ました!
東日本大震災が起きた3月11日からの5日間を描く「太陽の蓋」
話題の作品だけど、東京まで観に行く元気も時間もない・・・と思っていたら、
千葉市中央区中央3-8-8(中央区役所通り)の「千葉劇場」で上映しているとのこと。

連休最後の月曜日(7月18日)14;20~の上映時間に合わせて、出かけました。
時間ギリギリに入ったら、なんと、ほぼ満席!
前の方の首が痛くなりそうな席しか空いていません。

娯楽大作でもない地味な映画のようでもあるのに、こんなに関心のある方が詰めかけていることに、まず感謝、胸が熱くなります。

佐藤太監督による、この作品は、
東日本大震災によってもたらされた福島第一原子力発電所の事故を追う新聞記者(北村有起哉)を中心に、
当時の政権中枢幹部や 官邸の様子、無責任な官僚用語で意味不明な言い逃れをする東電の幹部、
そして東電本社の隠蔽体質、
福一(福島第一原発)に働く一途で真摯な若者、
原発事故現場に近いところに住み情報のないまま避難を強いられる住民、
不安に怯える東京で暮らす母と子の姿、福島で暮らす市井の人のやり場のない気持ちを、胸が苦しくなるほど生々しく描き出します。

当時のテレビの映像そのままに、テレビ画面に、津波警報の地図と赤いラインが点滅する場面・・・。
無機質でそっけない、福島原発の静止画像・・・そして妙に静かな水素爆発の画面・・・。

おそらく、そこでは、大変なことが起きているに違いないのに、
現場からなんの情報もこないことに対する菅総理(三田村邦彦)の苛立ち・・・
とうとうヘリで現場に・・そのことが大きな批判の的になるけど・・・果たしてそれ以外の選択が菅総理にありえたのか・・・疑問です。

福島第一原発の総電源喪失、・・・なかなか到着しない電源車、ようやく到着し喜びの歓声があがる官邸・・・・そしてなんとプラグが合わず結局電源は来ない・・・菅総理の苛立ちはますますエスカレート!

「ベントをすべきだ」、「いや、しない」・・・やっと、ベントの決断・・・しかし1時間たってもベントはできず・・・最後は決死の覚悟で現場に直行した人の手でバブルをまわし、ベントに成功・・・命を削る攻防が続きます。

爆発のあった1時間後にようやく官邸に情報が届く事態が続く・・・。
「なぜ情報が来ない!どうなってんだ!」怒った菅総理が、急遽東電本店へ。

東電幹部の部屋では、複数のモニター画面でリアルタイムで役員たちが情報を収集していた!
(こいつらは、総理より偉い?)

一方、福一(フクイチ)では、死を覚悟する現場スタッフ。
若者を死と隣り合わせの現場にやれない、と自ら死を覚悟して現場へ行く壮年者たち、
そして最後は、若者たちも現場に自ら志願して、出かける・・・・・

(もしも自分がその現場にいたら、どんな決断をするのか・・・、どの場面でも、自らに自問自答する・・・)

非番であったにも関わらず事故現場に出かけてしまった大切な息子、その息子を「なぜ止めなかった」と父である夫をなじる妻、連絡が取れず、携帯を鳴らし続ける母親のやつれた顔・・・見守る父親・・・。位牌を握り締めるおばあちゃん。

この映画は、震災当時の菅内閣の政治家全員を実名で登場させるなどリアルを追求しています。
そのため、佐藤監督は初日の舞台挨拶で
「この映画を撮ること自体がひとつの決断。その決断は今も続いていて、今日、登壇するのも決断が必要だった。変わった映画なので、どういう反響があるのかと考えています」と胸中を明かされたといいます。

この映画のプロデューサーも『この映画を100年、200年先まで残るものにしたい』と言われたそうです。

俳優が、政治的判断を伴う作品に出演する場合、大きな決断を伴う、という話は、よく聞きます。
うっかり,自らの政治信条を話したために、あっと言う間に干された、という話も聞きます。
(日本はこの点、ほんとにケチくさい国です)

この作品に出演したすべての役者さんに敬意を評します。
よくぞ、出演してくださいました。
よくぞ、ここまでリアルに、私たちに、当時の気持ちを思い起こさせてくださいました。

政治家以外の官僚たちや役員たちは、取材した人々をモデルとしたオリジナルキャラクターだそうです。
(妙にリアルです。お役人には、こんな人、いるいる!と思わず膝を打つような人も・・・)

北村さん演じる記者さんは、実在の人物ではないということですが、狂言回しとして、終始、良い立ち位置で演じておられました。(私たちの眼の役割を果たしてくださったのだと思います)

映画が終わっても、だれも声を出しません。
だれもが黙って立ち上がり、だまって劇場を立ち去りました。
みんな同じ気持ちだったと思います。

あれから5年、日本人は、もう忘れたのでしょうか。
川内原発は、再稼働してしまいました。
熊本で、あれほどの地震があり、今も仮設住宅にさえ入れない人がたくさんいるのに、今も原発は止まっていません。

原発さえ止めることにできない私たちは、
自分たちは宿題を残したままであることを、忘れたがっているとしか思えません。

千葉劇場なら近いです。
上映時間は、多少日によって変更があるかもしれませんが、是非おでかけください。
プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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