2017/08
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国連から見た日本の女性差別の実態
6月11日(土)
「国連から見た日本の女性差別の実態」
という興味深い学習会が千葉県弁護士会館で行われた。

安倍総理が「女性活躍推進」をいくらリップサービスで唱えても、日本の女性が差別的な状況に置かれている実態は変わらない。

女性の貧困、働きたくても保育所にも入れない実態、相変わらずの男女の賃金格差・・・そして政治参加率の女性割合の低さ・・・。

国会の女性議員比率の国際比較統計が毎年発表される。
3月7日に最新データが発表された。
http://www.globalnote.jp/post-3877.html

なんと、日本は昨年よりさらに順位を下げ、193カ国中、157位!

もちろん、韓国、北朝鮮より低い!(どちらも113位)

まず「女性差別撤廃条約と女性差別撤廃委員会」と題して、林陽子さん(国連女性差別撤廃委員会委員長)の報告があった。

女性差別撤廃条約とは、国連の9つの主要人権条約の一つ。
他には、「子どもの権利樹約」や障害者の権利条約」もある。

女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃を求める条約である。
「あらゆる」とは、直接差別だけでなく、間接差別、つまり婚姻上の地位、妊娠出産、子供の有無による差別。

政治参加、労働、教育、家族関係、健康、DVなど・・・。

女性のためのさまざまな政策を議論する国会での女性の割合は
世界平均は、22%
アジア平均は18%
日本の衆議院では9% 

法的クオータ(割り当て)制度はすでに100カ国以上が公職選挙法に導入している。
フランス、ベルギー、コスタリカでは「パリテ(男女同数制)」を導入し、その趨勢が広がっている。

フランスで、「クオータ制導入で30%を女性に」と主張したら、男性から、「なぜ30%なんだ」と猛反発された。
「では、男女は、人口比で半々なんだから、パリテ(50%)にしましょう。」と、パリテ法が成立してしまったのだという。
フランスってすごい!

日本には、驚くべきことに包括的に差別を禁止する法がない。
国の中に人権の専門家がいない、「監視専門委員会」がそもそもなくなったのだいう。

今後、「包括的差別禁止法」制定をめざして議論をスタートさせたい、というのが林さんの強いメッセージでした。

朝倉むつ子さん(早稲田大学教授)からは、労働分野における性差別についてのレクチャー。

年齢階級別の労働力率は、相変わらずのM字カーブ。
国も、千葉県も、男女共同参画計画に、
堂々と「一旦出産・育児で離職した人が、再就職するための支援」を謳う。
なぜ、結婚、出産、離職を前提とするのですか?と聞くと、
「いや、現実的に、離職する人が多いので・・・」という回答。

なぜ、離職でなく、育児休暇、その後の保育体制の充実で乗り切る政策を推進しないのか・・・。
女性県議からは、次々に同種の意見が議会でも述べられてきた。
こんな些細なことでも、女性議員がいないと、実感のある提言ができないんだな、と痛感したことを思い出します。

非正規労働の問題が男性の間で深刻になってようやく非正規労働の問題が議論されるようになりました。
ずっと女性たちが、非正規、低賃金で苦しんできたときには、マスコミも社会も問題にもしなかったのに・・。

賃金格差は、男性を100とすると、女性は71.3
総合職として入社した女性たちは、79%(1986年入社)、42%(2007年入社)が退職。
だから、女は・・・でなく、なぜ退社せざるを得なかったのか、そこを考えて欲しい。

育児休業を取得するのは男性2.3%、女性86.6%。
男性が、積極的に(かなり積極的に)育児に参加している場合は、女性の離職率は低いこともデータで示されました。

「差別」とはなにか、「不合理」とは何か?それを判断する基準がしっかりあるか、など基本的なことを具体的に抑えることの大切さも学びました。

「返せ!生活時間」キャンペーンを国民運動として繰り広げることが大切だ、という指摘にも納得しました。

長時間労働の問題は、単に、労働運動でなく、「健康と命、暮らし」を取り戻す運動にしなければ、という発想も、やはり女性だからこそ出てきた視点です。

もうひとりは、mネット・民法改正情報ネットワークの坂本洋子さん。
パワフルです!
家族に関する法整備の女性差別について語っていただきました。

例えば、婚姻は、男性は18歳から、女性は16歳から、と日本はされているが、
これは、16歳で結婚してしまえば、その後、女性が教育の機会を奪われることになりかねないので、ダメ。
(両性の婚姻年齢が違っているのは、もはや先進国では、日本だけ)

実は戦後の憲法制定の折に、最も抵抗があったのは、9条でなく、24条だったそうです。
24条は、「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」
「両性の平等」なんて、今だって、我が千葉県では、男女共同参画条例ができていないくらいだから、戦後すぐのバリバリの男社会では、さぞかし抵抗があっただろうと思います。

そもそも「男女共同参画」条例という名前だって変で、
あっさり「男女平等条例」にすればいいだけなんだけど、
ものすごい壁があって、折り合って「男女共同参画」になったんだものね。

何も変わっていないじゃないか、と思われるかもしれないけど、国会でのロビー活動や、様々な運動の成果は確実に上がっている。

選択的夫婦別姓制度についても、民法改正に向けた与党内の議論が活発化した時期もあったのです。

2001年10月には、男女共同参画会議基本問題専門調査会の中間とりまとめで、同制度の導入が望ましい、という結論も出ていたのです。(この頃は、古賀誠、野中広務さんたちが調査会の要職に就いていた)

今は、とにかく、安倍総理をはじめとして「日本会議」系が幅をきかせて、大きく後退してしまっています。

最後に、林さんが、千葉県が生んだ偉大な社会事業家(ソーシャルアントレプレナー)沼田たみさんを紹介しました。
母子世帯自立のために尽くした千葉県連合婦人会初代会長だそうです。

できる一歩を尽くしたい。まずは、この参院選でしっかり候補者を見極めて投票しましょう、と締めくくりました。
プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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