2017/08
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埼玉県のアスポート事業は、明日に向かって伸びる
午後、会派の視察で埼玉県庁へ。

視察目的は、「アスポート」事業、生活保護受給者に対する総合的な自立支援の取り組みを聞かせていただきました。

先ずは、県庁の正面
埼玉県庁

奥に、議事堂なる議会棟があり、その5階で、お話を聞きました。

生活保護は、埼玉県でも急増しています。平成23年は、86,525人。

高齢世帯、母子世帯、傷病障害世帯も増えていますが、
特に増加が著しいのは、その他世帯。
平成22年のリーマンショック後、派遣切りやら雇いどめなどが急増し、
わずか2年で4718世帯が12737世帯に。270%の増、ということになります。

また、貧困の連鎖ということも、社会問題になっていました。
貧困の連鎖の発生率は25%とも言われています。

そこで、その連鎖を断ち切るため、打ち出したのが、埼玉県の「アスポート」事業。
アスポートとは、「明日に向かって船出する港」と「明日へのサポート」を意味しています。

「就労・住宅・教育」の3つの柱を打ちたて、トータルで支援し、生活保護世帯が少しでも自立できるようにします。

教育
生活保護世帯の中学生に、大学生たちが、ボランティアで地域の学習教室で高校進学に向けた学習支援を行います。
場所は、なんと特別養護老人ホーム。

平成23年は中学3年生の参加人数は801人の対象者のうち、305人。
その結果、高校進学率は、86.9%から97%と10%の増加!

県老人福祉施設協議会の皆さんは、場所の提供をお願いした時に、二つ返事でokしてくださったそうです。
現在は、県内17箇所(さいたま市を含めると22箇所)で学習教室を開いています。

年齢の近い大学生から教わることのメリット。自分を大切にして、本気で支援してくれる大人たちがいること、また、お年寄りのあったかい見守りがあること、などのあれこれで、
4人にひとりは、電車、バスを乗り継いで通ってくるそうです。中には、2時間かけて通ってくる子供たちもいるそうです。

お年寄りが、子供たちのために合格祈願のお守りを作ってくれたり、合格するとお祝いの会を開いたりなどの交流も生まれているそうです。
そんな話を聞いただけで、つい、ウルウル・・・。

就労
民間企業で豊富な経験を持つ支援員が、職業訓練の受講から、再就職まで一貫して支援します。

職業訓練というと、パソコン技術などを、すぐ思い浮かべますが、
それで、ほんとに事務職の仕事に付けることはほとんどありません。

それよりは、それまでの仕事のスキルアップにつながる「フォークリフト技能」「玉がけ・小型移動式クレーン技能」「警備員技能訓練」「ハウスクリーニング技能」「原付自転車免許取得講習」とか、すぐ役立つ実践的な技能を身につけます。
「調理師免許資格取得講習」は、それまでに飲食店に働いた経験のある人がさらにスキルアップすることで就職に結びつけるようにします。

その結果、就職者は平成22年は、191人でしたが、23年は618人。
就職した後の会社訪問をして、支援員は、その後の状況を聞きます。

24年は、支援員を43人から51人に増やして、700人の就職達成をめざしているそうです。

住まい
無料低額宿泊所の状況は、以前ここにも書きました。
埼玉でも、34箇所の施設が有り、入所者は1693人います。
本来一時的な宿泊所であるはずが、1年以上住んでいる人が7割を占めています。

ここでは、社会福祉士の資格を持つ支援員が、民間アパート等への転居から安定した生活の確保まで、一貫して支援します。
たんに住宅を紹介するのでなく、不動産業者に同行し、一緒に話を聞き、交渉し、断られたら、また別のところを探す、ということをしながら、住まいを決めます。

おまかせにせず、自ら、断られる体験もしながら、住まいを確保することによって、
そこに住み続けようという気持ちがしっかり固まるのだそうです。

職業訓練をしながら、住まい探しをする、そして、自立につなげていく。そんな粘りづよい支援です。

教育・就労・住まいの確保、この3分柱をしっかり掲げているのは、埼玉だけだそうです。

当初、4億円からスタートした「アスポート」事業は、今や9億円予算の事業です。
優秀な支援員の確保が、この事業の要なので、ほとんどが人件費です。あとは、事務所費と訪問のための交通費。

国が全面的にバックアップしている事業でもあるので、予算は全て国の補助金ですが、おそらく予算以上の仕事の内容だろうと思います。

強力なポリシイーを持った民間支援団体がバックにあることも強みです。

「それにしてもどうしてこんなことができたんですか?」
という質問に
「知事のリーダーシップが大きいです」と言われて、ダーッ(;_;)

平成22年のリーマンショックで派遣切りが増大したとき、知事が、「貧困の連鎖を断ち切りたい、福祉事務所に受給者が相談に来るのを待つのでなく、こちらから出かけてともに問題解決に当たりたい」と担当者に、事業化を指示。

4月に起案し、知事に12月議会には事業を提案したい、と言ったら、それでは遅い、といわれ、九月議会をめざし、また、遅い、といわれ、とうとう6月議会に4億の予算、116人の支援員を擁する事業をスタートしてしまった。
「ともかく、始めろ、間違いは、歩きながら修正しながらやっていけばいい」という言葉に尻を叩かれながらやってきました、という担当大山さんの言葉に、ショック。

大山さんのこの清々しい顔を見てください。
埼玉大山さん

これは、しっかり勉強する私たち。
埼玉学習会

来年は、静岡、熊本でも、同種の事業がスタートするようです。

果たして、さて千葉県は・・・・?
プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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