2017/06
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どうなる?国民健康保険
このところ、学習会が続く。

4月6日 震災がれきの広域処理を考える緊急学習会  
     講師:藤原寿和さん(放射性廃棄物全国拡散防止!政府交渉ネット事務局/残土・産廃ネットの代表)

4月8日 有機農業の未来  
     講師:下山久信さん(さんぶ野菜ネットワーク常勤理事)

4月13日 社会保障と税の一体改革
     講師:吉澤さん

そして、4月14日は「崖っぷちの国民健康保険」
       ~広域化で問題は解決するのか?~

14日の講師は、長友薫輝(まさてる)さん(津市立三重短期大学準教授)
国保と地域医療、介護保険・医療保障、地域住民によるまちづくりなどなど、多面的な活動を地域で展開している先生。
長友さん

国保を取り巻く現状からお話はスタート。
ほんのさわりの部分です。

国保をめぐってかつて何が起こったか?ある事件です。

京都丹後市で、一斉に、患者が減って医療機関から悲鳴が上がった。
その理由は?

国保が2割アップして、みんなが病院へ行かなくなったから。
問題ない人が病院へ行かなくなったのでなく、本来行くべき人が、行けなくなったことが問題。

保険料を上げれば、結局患者が病院へ行かなくなり、医者も商売が上がったりになる。

もちろん一番の被害者は、病気になっても病院へいけない患者さん自身。

・・・・2009年、政権交代によって社会保障はどう変わったか?

本来、税と社会保障、政治の役割は、富の再分配のことだが、
政権交代以降、給付(サービス)は抑制され、保険料負担は増加している。

そんなあこぎな一体化が加速している。

民主党政権は、医療費抑制策に忠実で、小泉政権当時(2003年)の政策を忠実に継続している。
医療、介護、福祉労働者に対してはほぼ何もやっていない。

本来、社会原理(社会保障)とは、個人や相互扶助で対応できない問題を社会的に支える仕組みのこと。
だからこそ、公費負担、事業主負担という発想が出てくる。

一方、保険原理とは、保険料を収めた者のみが、給付の資格があるとする原理に基づいている。

改めて見てみると、日本の社会保障予算の80%強は社会保険である。
すなわち、医療保険、年金保険、雇用保険、労働保険、介護保険。
(のこり15%が生活保護や保健所、子育て支援・・・。)

すなわち80%強が、「保険原理」で対応されているので、納めることのできない者は、排除されることになる。「受益者負担」も同じ発想。

かくて、保険料を払えない者は、給付(サービス)も、控えろ!ということになる。

払わないのでなく、払えないのだ、といくら言ってみても、聞く耳を持たなければ、払えない人は、医療サービスからはじかれてしまうことになる。

国保は、他の公的医療保険に加入する人たち以外のすべてが加入する構造となっており、皆保険制度を下支えするセフティネットの役割を担っている。

当初から、農業者や都市部の自営業者、無業者・低所得者・高齢者の公費医療制度という性格を持っている。

内訳を見てみると、国保加入者の割合は、

2007年(平成19年) 農水業3,9%  自営業14.3% 被用者23.6%
             無職者55.4%

被用者23.6%は、会社が保険に入らせてくれないため、個人で保険に入らざるを得ない人。
当然収入は低い。

国保加入者の平均所得は、2008年で168万円。
2009年は、158万円。
どんどん下がっている。
しかも、低所得者に対して25%を超える保険料を払えという。

そして無職者は、55.4%。

高齢化でさらに無職者は増える。

これで、制度が破綻しないわけがない。
払えるわけないじゃないか、というのが、率直な感想。

「医療保険は「たすけあい」の仕組みです、だから、ちゃんと払わないと、みんなが困るのです、払いましょう。」というが、払えない制度を作って、「払わないのは罪だ」というのは、間違い。

しっかり公的に税金で基礎的な部分は支え、その上で、過重にならない保険で支え合うのがスジだ。

昭和61年に国保の制度設計をした学者自身が「10年持つはずがない」と言っていたのに、
今日まで続けてきてしまった制度であるという。(う~ん、納得)

1960年頃、市町村国保の国の負担は6割だった。
しかし、2010年~国費割合は20~25%に低下してきた。
その差額は、保険料に転嫁され(ますます国保保険料が上がる!)
また、市町村が一般会計で、苦しみながら補填してきた。

しかも、徴収率の悪い自治体には、ペナルティが課されてきた。
低所得者が多い自治体は、徴収率も低い。
ペナルティなんて言われても、税収が少ないのだから、そのペナルティにも対応できない。

そんな自治体が、なんとか徴収率を上げようとして人を投入しても、人件費に見あった徴収ができるとも思えない。かくて、自治体格差もどんどん開いていく。

(あれこれ書いていると、きぶんが悪くなる)

では解決策は?

日本の健康保険制度のいいところは、「給付の平等性」と「フリーアクセス」

医者は貧富の差なく、だれに対しても均一の治療(サービス)を行う。

また保険証を提示しさえすれば全国どこの病院でも医療が受けられること。

この良さを生かして、皆保険制度を堅持するために、「健康保険制度の一元化」を図ること。
このことは民主党だってマニュフェストに掲げていたのだが、未だに実現していない
(それどころか逆行している)

我々にできることは、まずしっかり地域の現状を把握すること。そして市民や議員、医療従事者みんなで情報の共有化を図ること。

その上で、他人事とせず、みんなで制度改正の声をあげること、だと思う。

学習会の内容は、まだまだ多岐にわたる。書ききれないので、ここまで。

長友先生には、地域医療、市民参加の地域医療のありかた、また、別のテーマでお話を聞かせていただきたい。

先生、三重県から来ていただいて、ありがとうございました。

プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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