2012/08
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生活困窮者支援の現場から
青少年のつどい市原市大会開会式が、中央武道館で行われた。
先日、女子ミニバスケットをちょこっと拝見したので、あの時のりりしい女子たちも参加しているんだろうな、と思いつつ来賓席に並ぶ。

それにしても、暑い! 
開会式のあいだも、汗がだらだら・・・熱中症にはくれぐれも注意して頑張ってください。

「外で行う男子ソフトはもっと暑いよ。ちょっと見てね」と昨日お誘いを受けたので、国分寺台中へ。
残念ながら、国分寺台チームは、ちょっと負け。でも頑張りました。

保護者も審判も、お世話する青少年相談人のみなさんも、汗だくで、ほんとに頭が下がります。感謝です。

さて、11時半となり、船橋へ。
午後から、
「生活困窮者支援の現場から」の学習会。
講師は、稲葉剛さん
稲葉剛 
稲葉さんは、NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの代表理事さんです。湯浅誠さんと一緒に「もやい」で、路上生活者支援の活動をはじめ、今日まで、様々なサポートをしています。

ここから後の文は、メモや、レジュメからの引用です。

2008年9月のリーマンショック以降、相談件数は3倍に増え、ピーク時は月に200件を超えた。

現在も年間800~900世帯が来所。約3割が30代以下。
そして、必要に応じて、年間200件、生保等の申請するため、役所に同行する。

役所は、65歳以上だとか以下だとかという年齢要件とか、障害手帳の有無とかで受給対象になるかどうか区別するが、「もやい」では、そんなラインは引かず、「今困っている人」を対象とする。

だから、60代前半の人とか、障害者であっても、ボーダーの人(手帳までは持っていない)が多い。

2004~5年頃は、相談は、路上生活者が多かった。

2005~6年は、ネットカフェ難民と言われる単身者が増え、

震災後の2011年以降は年齢も多様化し、家族で相談に来る人が増えている。

(もはや親であっても扶養できないほど、不況が長期化して、貧困の連鎖が始まっている。)

なぜ若者が?働かず生活保護に?
といわれるが、
若者の貧困には2つのパターンがあり

・貧困の連鎖・・・ホームレス50人中、9人が児童養護施設・親戚宅で育てられていた事実がわかった。
つまり、いざとなっても、親身になってくれる親がいない、頼れない。そのため、困窮するとすぐに路上生活にならざるを得ないケースが出てくる。

もう一つは、過労による精神疾患・・・
25~34歳の28.3%が過労死ライン(周60時間以上の残業)の労働に従事している。
働き過ぎで、うつになったり、体を壊したりして休業、思うように働けなくなり、やがて辞めさせられる。

休んでも、次は、思うような職につけず、やがて、不安定な暮らしに・・・。

高額所得者であるお笑い芸人が、その親が生活保護であるのに、そのままにして扶養しなかった、ということで、
マスコミからボコボコに叩かれたことがきっかけとなって、国会でも「扶養義務強化」が遡上に上がってきた。

しかし、考えて見て欲しい。

生活困窮ぎりぎりの家庭で、やっとのことで学校を出て、なんとか就職。
家族も持って、なんとか暮らせるようになった。
で、生活できているのだから、生活困窮している親を面倒見ろ、というのは、
場合によっては、やっと独り立ちした子供にとって、過酷な事例もあるのではないか?

件の芸能人の場合は、高額所得者になったのなら、それなりの所得税を払えばいい。
そのほうが、親を扶養するよりずっと高額の社会貢献ができる。

日本は豊かだと未だに思っている人が多いが、
実は、
日本国内の餓死者数は、
1981年~1994年は、年平均 17.64人
しかし
1995年~2010年は、年平均67.75人と増えている。
(明らかに餓死とは断定できないケースも加えると実際はもっと増えるかもしれない)

2007年社会保障実態調査によれば
過去1年間に家族が必要とする食料が買えなかったことがある、という質問に対して、
よくあった、時々あった、まれにあるを合わせて、15.6%が、日毎の食に事欠いている。
これで、日本は、豊かな国と言える?
(幻想かもしれない)

福祉事務所で、「水際作戦」と称して、生活保護申請をしにくい状況が
全国いたるところで展開されている。

いわく
・「働ける人は保護の対象外」
 (65歳未満は対象外とする)

・「家族に養ってもらえ」
 (扶養義務の強化に結びついている)

・「住まいを作ってから来てください」
  貧困ビジネスの横行。施設に丸投げ。
  多くの自治体では、貧困ビジネスを必要悪と認知している。
  千葉は、とりわけひどい。(埼玉、茨城でも増えている)

日本の公的扶助制度による捕捉率(カバーできている率)は、劣悪。
(以下の%は約)
スウェーデン 80%以上
ドイツ  65%
フランス 50%
イギリス 47%
日本は 資産要件有り(若干の貯金さえ認めない)で 約32%をカバー
資産要件なし(葬式代ていどの貯金は認める)なら、約18%しかカバーしない。

つまり、命と暮らしのセーフティネットが、最低レベル、ということ。

今、210万人が生活保護を受けているとすれば、
その背後に、受けたくても受けられない人が450万人もいるということ。

こわいのは、
偏見(昼から酒飲んでる人がいる。不正受給じゃないか。ぎりぎり暮らしている正直者がバカを見る。 など)

ステイグマ(生活保護は恥。世間様のお世話になっている負い目 など)

こうした感情論によって、制度改悪の流れが作られる。
  →貧困も自己責任だろう。応分の負担をしろ。生活保護ラインをひきさげろ・・・など
   
今、求められているのは、貧困を見る「まなざし」を変化させること

施しでなく、権利としての社会保障であることを、周囲も本人も自覚すること。
「かわいそうだから救済する」という考えは、「かわいそうでないので、助ける必要はない」ということとほとんど紙一重。

などなど、稲葉さんからは、書き尽くせないほどたくさんの話を聞いた。

そして、その後、現在2回目の生活保護を受給しているMさんの話。

どれほど、ぎりぎりの想いで利用し始めたのか、
今、「もやい」の仲間たちが、自分の気持ちを受け止め、共感してくれるので、人としての自信を取り戻しているということ、など話してくださった。
生活保護利用者のデモにも参加し、その時に作った刺繍入りの横断幕を披露してくださった。

キラキラ可愛い横断幕は、今の彼女の気持ちなのだろう。
1回目のデモの時の横断幕。ラブリー。
デモの刺繍その1

2回目のデモの横断幕はさらにグレードアップ。
デモの刺繍その2

人が人らしく生きるということは、自分を認めてくれる仲間と、暮らしの安心がセットでなければならないのだと、Mさんの笑顔を見て思った。

誰かの足を引っ張ってみんなで一緒に泥沼に落ちていくのでなく、
「困っている人」に手を差し伸べることで、自分もまた、満たされていく生き方を選択したい。
(きれいごとだろうといわれそう。難しいけど、でも今だからこそ、そうでなければならないと思う)

プロフィール

ichiharatomoko

Author:ichiharatomoko
     
1948年石川県生まれ
早稲田大学卒業
市原市議2期を経て千葉県議(2期目)
市民ネットワーク千葉県共同代表

子ども3人は独立し夫と2人暮らし、ネコ1匹
趣味は絵を描くこと、俳句、散歩、読書

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